今度こそっ!小さなお店のための本気のチラシ制作5つのコツ

あなたのお店では集客のためにチラシを作ったことはありますか?作ったことのある方はご自身の胸に手を当てて次のことを考えてみてください。

そのチラシでお客さんは集まりましたか?
何枚配布して、何人が集まったでしょうか?

通常、チラシの反響は1,000枚配って1件の反響があればまずまずと言われています。3件もあればヒット!間違いなくそのチラシは成功パターンと言えます。しかし、実際には5,000枚まいても反応ゼロなんてこともザラなんですよね。そこで、今回は小さなお店がチラシを作るためのちょっとしたコツを5つ、ご紹介します。

目次

コツ1 読んでもらえるチラシにする

まず、何よりも大切なことをお伝えします。それは、

「チラシは読まれなければ役に立たない」

ということです。いくら立派なチラシを書いても、いくら最高のオファーを載せても、いくら良質な客層にチラシをまいても、読まれなかったら何も起きません。つまり、チラシをつくるときの最大にして最初の壁は「読んでもらうこと」なんです。では、どうしたらチラシを読んでもらえるようになるのでしょうか?

見出しを大きく目立たせる

チラシを読んでもらえるかどうかは「ヘッドライン」と呼ばれる見出しにかかっています。この見出しが一瞬にして読み手の心を掴めるかどうかがカギなんです。ということは、見出しの文字が小さかったり、そもそも見出しがなかったりしたら、、、そのチラシは読んでもらえないということです。だって、見出しを一瞬で認識できないわけですから、見出しすら読んでもらえていないからです。よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが、チラシをポスティングしたらその世帯の人の目に触れると思っていませんか?

これは大きな間違いです。

あなた自身のことを振り返ってみてください。自宅に届くチラシを一枚一枚、吟味していますか?本当に必要かどうか、チェックしていますか?していないですよね?私のような広告オタクならまだしも、一般の人、ましてやあなたのような忙しい経営者にはそんなヒマなんてないはずです。だからこそ「あなたに必要な情報がココに書かれているんですよ!」と、見出しでアピールしないといけません。そのための第一歩が、見出しを大きくすることなんです。

見出しを読みやすい字にする

では、見出しは大きければ読みやすいのでしょうか?

答えはNoです。

確かに、見出しを読みやすくする上で文字を大きくすることは避けられません。が、それだけで十分というわけではないんです。いくら字が大きくても、線の太さによって読みやすさは激変します。百聞は一見にしかずなので、次の画像を見てみてください。

いかがでしょうか?どちらも文字の大きさは同じですが、圧倒的に下の方が読みやすくないですか?このように、線の太さや文字のフチ取りの方法によって、同じサイズの文字でも読みやすさは変わってしまうんです。

ターゲットの気を引く言葉を使う

ここまでであなたのチラシの見出しはグッと目立って読みやすくなったはずです。ここまで来てようやく、見出しに書いてあることが重要になってきます。言うまでもないでしょうが、チラシの見出しには読み手の気を引く言葉を入れないといけません。その「気を引く言葉」を考えるために重要な理論を「STP理論」と言います。あまり深く説明するとこれだけで記事が書けてしまうので、ここでは簡単に説明しておきます。

S:セグメンテーション(segmentation)

真っ先に考えなければいけないのがこの「セグメンテーション」というものです。セグメンテーションというのは、簡単に言うと「どんな属性の人にチラシをまくのか」ということです。

・お店の半径3km圏内の全世帯
・高級マンションの全世帯
・子どものいる世帯
・駅前で30~40代女性だけに手渡し

などなど。チラシをまく世帯の属性はいろいろありますよね?お店の近所すべてにまくのに、マンション生活を想定したチラシを作っても意味ないですよね。この属性を無視してチラシを作っても、効果は半減してしまいます。だから、チラシを作る前に「今回はどこに配布しようか?」から考えましょう。

T:ターゲティング(Targeting)

セグメンテーションを考えたら、次はターゲティングです。たまにセグメンテーションとターゲティングを混同されている方がいるので注意してほしいのですが、セグメンテーションしたグループの中でも特にあなたが狙う的を決めるのがターゲティングです。たとえば、あなたが高額の学習塾の経営者だったとします。そして、セグメンテーションでチラシを高級マンションにポスティングすると決めたとしましょう。お子さんの塾選びとなると、

・子どもが自分から「ここに通いたい」と親に申し出るケース
・母親が塾を決めて子どもに通わせるケース
・父親が決めて通わせるケース

などなど、いろんな判断のパターンがありますよね。ここで、「母親が決めるケースを想定して、進学校を目指す子どもを抱える母親をターゲットに広告を書こう!」と考えるのがターゲティングなんです。もちろん、もっともっと具体的にターゲットを絞り込むことも多いですが、ターゲティングの基本的な意味は上記でお分かりいただけるかと思います。

P:ポジショニング(Positioning)

セグメンテーションとターゲティングをしたら、いよいよポジショニングです。ポジショニングというのは、ざっくりと言うと、「あなたの立ち位置」を指します。さっきの学習塾の例で見てみましょう。あなたがチラシをまく相手は、

・高級マンションに住んでいて
・進学校を目指す子どもがいて
・母親が塾を決める権限を持っている

こんな家庭です。分かりやすくするために、もう少しターゲティングを掘り下げておきましょう。上記に加えて、

・他の塾ではクラスの習熟度に合わせて授業が進むから、子どものレベルに対して学びが少なすぎると思っている。
・内気な子だからきちんと寄り添ってほしいけど、家庭教師は学生のバイトが多くて任せられないと思っている。

こんな人がターゲットだったとしましょう。では、このターゲットに対して、どんな学習塾だったら心に響くと思いますか?おそらく、

・プロ講師のマンツーマン指導がある
・小まめに面談などでフォローしてくれる
・いつでも子どもの相談に乗ってくれる担当制

などの要素が響くでしょうね。だとしたら、この3点を強く推すチラシを書いて、それ以外の要素は大幅に削ってもいいでしょう。もちろん、チラシを書くたびにサービスを変えることはできないので、あなたのお店にたくさんあるサービスの中から、どのサービスを前面に打ち出すのかを考えるようにしてください。そして、ここまで決まれば見出しに打ち出す言葉も見えてくるはずです。

たとえば、「塾は子どものレベルに柔軟に対応できないし、かといって家庭教師も学生のバイトじゃ頼りない…」といった文を見出しにすると、このターゲットの心には刺さりやすそうですね。チラシの中身でも、「プロ講師によるマンツーマン指導!」と攻めることができます。こうやって、チラシを書く前の準備と見出しの打ち出しがあなたのチラシの勝敗を大きく左右することを覚えておいてください。

コツ2 スラスラ読める文章にする

見出しだけでかなりの長さになってしまいました…。しかし、それだけ見出しまでの工程が非常に重要ですので、ぜひコツ1の内容はしっかりと実務に落とし込んでくださいね。ここからはそんなに難しくないので、気軽に読んでください。というわけで、コツ2は「スラスラ読める文章にする」です。

読み手には「広告を読む義務」はありません。「わざわざ時間を割いて読んでくれている」んです。ということは、いつでも読むのをやめる準備はできているわけです。それなのに、「面倒くさい」とか「読みにくい…」なんて思われたらアウト。あなたのチラシは一気にゴミ箱行きです。だからこそ、ちゃんとスラスラと読める文章を書くようにしましょう。具体的なコツを紹介していきます。

難しい専門用語はNG

よくありがちな間違いが専門用語の使用です。あなたはご自身のビジネスにおけるプロなので、きっとたくさんの専門知識をお持ちのはずです。でも、そんなあなたが作るチラシを読むのはド素人ですよね。それなのに、「私はこんなにすごいことを知っているんです!」と言わんばかりに専門知識を使われたら、、、読み手はウンザリします。別に専門知識を多用しなくても、たった一言でも「?」と感じる言葉が出てきた瞬間に読む気をなくしてしまう人も多いんです。

読み手に読んでもらいたいなら、相手に語彙力がなくても読めるやさしい文章を心がけましょう。たとえば、「このカメラは撮像素子が大きくて光の感度が高いために、低露出でも低ノイズで明るい写真が撮れます」ではなく、「このカメラは光を受ける部品が大きいので、多少辺りが暗くてもしっかりと光をキャッチして明るくてなめらかな写真が撮れます」と言えば、素人でも意味がすんなり入ってきますよね。ただし、あなたが専門家を相手にするような仕事をしている場合には、多少の専門用語は使った方がいいので、そのあたりはターゲットを見ながらバランスをとってみてください。

専門用語じゃなくても難解な言葉は避ける

さて、もうお分かりかと思いますが、読む気をなくす言葉は専門用語に限りません。難しい言葉は避けましょう。一般的にあまり普及していないカタカナ語や、普段の会話であまり出ないような熟語はやめておいた方がいいですね。

「うんうん」と頷きながら読めるように

ちゃんと読まれて反応をもらえる良質な広告は読み手が書き手に強い共感を示します。つまり、チラシを読みながら「えー、それってどうなの?」と思われてはいけないんです。そういう内容が出てきた瞬間に読み手は「この人の意見は正しいのかな?」という疑いの目でチラシを読むことになります。そして、読み手が書き手に対して「この人の意見、嫌い」と思ったが最後、そのチラシはゴミ箱コースです。だから、チラシの中では読み手が読み進めるごとに「うんうん、そうだよね」と反応してくれるように話を進めないといけません。

一貫性とコミットメント

ここで一つ、「共感性の高い広告は良い広告」という話を裏付ける人の行動心理をご紹介します。それが「一貫性とコミットメント」。これはどういう行動心理かというと、「人は自分の意思決定を維持しようとする」というものです。つまり、一度「Yes!」と言ったら多少のことでは「No!」に変えません。人が意地になるのは、この行動心理が強く働いた結果なんです。だから、チラシの最初の方で「うんうん」と共感ポイントをたくさん用意しておけば、ちょっと意見が割れそうな中盤でも「うんうん」と思って読んでもらいやすくなります。そして、そのまま「うんうん」をキープできたら、最終的に「買ってね」というあなたのメッセージに対しても「Yes!」を引き出しやすくなるというわけです。

これは裏を返すと、チラシの最初の方で「え?」とか「うそ?」という「No!」の反応が出てしまったら、いくら中盤の論理が立派でも読み手はあなたに対して「No!」という感情を引きずってしまうということです。チラシは特に最初の方で共感を引き出すことが大事ってことですね。

コツ3 ビジュアルを活用する

3つ目のコツはビジュアルの活用です。文章の上手い人に限ってビジュアルのない文字ばかりの広告を書きがちです。特に、セールスライティングを勉強したての人は本当にこの傾向が強いので注意してくださいね^^;言葉の力は絶大ですが、それに勝るとも劣らないのがビジュアルの力です。この記事でも「百聞は一見にしかず」という言葉を使いましたが、ここでもまさにその通り。

長々と言葉で伝えるよりも、ビジュアルで見せるだけで伝わることって多いですよね?そして、文字ばかりのチラシは読み手を減らしますが、ビジュアルを効果的に使ったチラシは読み手を増やしながら反応を高めてくれます。ただ、誤解しないでほしいのは「文字よりビジュアル重視ではない」という点です。文字には文字の役割があって、ビジュアルにはビジュアルの役割があるので、それぞれ相応しいものを使いましょう、ということですね。ビジュアルの活用についての注意点やポイントを3つご紹介します。

気持ち悪い画像は絶対NG

最も気を付けて欲しいのがコレです。気持ち悪い画像の使用はやめましょう。チラシにインパクトを持たせたり、商品やサービスの効果を強調したいがために、目を覆いたくなるような気持ち悪い写真を使った広告をよく見かけます。実際、私のクライアントの中にも「業者からこの商品の広告だと言われてこれを渡されました」と言って差し出した広告物にデカデカとタダレた肌の写真が使われていました。このクライアントは店舗ビジネスだったのですが、「こちらで新しく販促物を作り直すまでは、とりあえず大きなシールでも貼って隠しておいてください」と伝えたくらいです(苦笑)気持ち悪い画像を使っていると、当然ですが人は目を背けたくなるものです。

つまり、その瞬間にあなたのチラシは「見たくないもの」というレッテルを貼られるわけです。冒頭でも言いましたが、チラシは読んでもらってナンボです。避けられるようなものは徹底的に排除しましょう。

説明が長くなるならビジュアル化を考える

次は文章を補ったり代弁するためのビジュアルの使い方ですね。たとえば、商品の説明をするときに、「大きなグリップがありながら黒くてスタイリッシュなボディデザイン」と言うよりも、商品であるカメラの写真を見せた方が早いですよね。

化粧水であれば、「肌にのせた瞬間、この化粧水は角質層の奥まで届き、さらに水分が蒸発しにくいように表面をクリーム状に覆ってくれます」と書くよりも、肌の断面図を書いて図で説明した方が分かりやすいんです。ビジュアルを見せるだけで伝わるものは、ビジュアルに任せるようにしましょう!

店内の様子やあなたの写真を出す

最後は「店内の風景やあなたの写真をチラシに載せる」です。店内の写真やあなたの写真を見せることで、読み手はとっても安心します。あなたがチラシの中でいくら言葉巧みに信頼性を語ったとしても、あなたの写真から伝わる安心感には勝てません。だから、信頼性を出すためにも、店内の様子やあなた自身の顔はしっかり出すようにしてください。特にサービス業の方は顔出しは必須だと心得ましょうね!

コツ4 チラシで買う理由を語る

では、具体的にはチラシの中でどのような話をしたらいいのでしょうか?ここではチラシで語る文章の中身についてお話します。

モノやサービスを売ってはいけない

まず、広告の基本は「モノやサービスを売らない」ことです。多くの人は「こんな商品を発売します!」とか「こんなサービスもあります」と言ってモノやサービスを売りがちです。しかし、お客さんがあなたから買いたいと思っているのはモノやサービスではないんです。お客さんが欲しいのは商品やサービスを利用した先にある「結果」であり「未来」なんです。つまり、チラシなどの広告では商品やサービスを使うことで「どうなれるのか」を具体的に語ってあげないといけません。これを分からずにただただ「この商品はこんなにも軽くて、スペックも高くて…」なんて説明をしても意味はありません。しっかりとお客さんに未来を見せてあげましょう。

絶対必要な3つの買う理由

そして、もう1つ広告に欠かせないのが3つの買う理由です。それぞれ1つずつ見ていきましょう。

「私」が買うべき理由

まずはお客さんから見て、「私(=お客さん)が買うべき理由」が必要です。なぜその商品やサービスをその人に勧めているのか、これをはっきりとチラシでプレゼンしましょう。お客さんに買う理由がなければ、当然商品・サービスは売れません。来店を促すこともできません。だから、お客さんにとっての買うべき理由をしっかりと探して、チラシの中に盛り込んでくださいね。

「あなた」から買うべき理由

では、お客さんに買う理由があったとしたら、それだけで売れるのでしょうか?

答えはNoです。なぜなら、「欲しいなー」と思ったお客さんは他社の商品・サービスとあなたの商品・サービスを比較するからです。「別にこのお店じゃなくてもいっか」と思われてしまったら、当然あなたからは買ってもらえなくなります。だから、「なぜあなたから買わないといけないのか」をチラシの中で語りましょう。他のお店とあなたのお店では何がどう違うのか、それがお客さんにとってはどういう意味を持っているのか、それをプレゼンしてみてくださいね。

「今」買うべき理由

さて、お客さんには買うべき理由があって、しかもあなたから買うべき理由もあったとしたら、もうそれだけで売れるのでしょうか?実は、これでもまだ足りません。なぜなら、お客さんには「また今度でいっか」という選択肢も残っているからです。特に、ぜいたく品や嗜好品では「また今度」という選択をされる可能性は高くなります。セールスで大切なのは、できるだけ気持ちの温かいうちに購入の決断をしてもらうことです。つまり、「今だからこそ買うべき理由」が必要なんです。

季節感を打ち出して「今の時季だからこそ欲しい商品」と思わせてもいいでしょう。あるいは、「先着●名様限定!」などのように限定性を持たせるのもいいですね。とにかく、「今買うべき理由」を盛り込んでみてください。そうすれば、チラシの反応もグッと良くなるはずです。

コツ5 チラシを見た人に疑問を与えない

いよいよ最後のコツです。最後は「チラシを見た人に疑問を与えない」です。ごくたまに見かけるのですが、チラシを読んで「これいいなー」と思っても、最終的に「私はどうしたらいいの?」となるパターンです。そうならないためにも、次の2点に気を付けてみてください。

交通手段に関する情報はマスト

まずは交通手段に関する情報ですが、これは絶対に載せましょう。あなたのお店に行くためには、車で行くのがいいのか、電車がいいのか、バスがいいのか…。きっと相応しい交通手段があるはずです。だから、チラシにははっきりと地図を載せて、車だったら「駐車場●台分!」とか「ご来店はお車が便利です!」と書きましょう。電車での利用が便利であれば、「●●線●●駅●番出口から徒歩●分!」と書くといいですね。お客さんの目線で迷わないように分かりやすく説明してあげてください。

取って欲しい行動は明記する

そして次は、お客さんに取って欲しい行動を明記しましょう。商品やサービスの良さが十分に伝わって「欲しい」と思っても、それを手に入れるために

・来店すればいいのか?
・電話すればいいのか?
・ネットで注文できるのか?
・来店前に予約は必要なのか?

などなど、取るべき行動が不明確なチラシをたまに見かけます。ここまで来てお客さんの気持ちは高まっているのに実際の行動に結びつかない、とっても残念な広告になってしまいます。だから、「ご予約はお電話で!」とか「ぜひご来店ください!」などのように、はっきりと具体的な行動を促す一文を入れるようにしてみてください。そうすればきっと、お客さんも迷わず行動してくれるはずです。

最後に

いかがでしたか?チラシ1枚書くのにも、いろいろと気を付けることはたくさんあります。細かいことまで書き出したら、この記事では到底収まりません。。。しかし、せめてこの記事に書いてあることを1つずつ実践して盛り込んでチラシを書ければ、今までのあなたのチラシよりもずーーーっと良いものになるでしょう。広告を書くのは大変な作業ではありますが、これをやった先にしか注文はないんです。ぜひ、諦めずにトライしてみてくださいね!

おすすめの記事