ダメなの!?広告で絶対やってはいけないデザインの3大タブー

あなたは自社の広告をつくるとき、デザイナーに「カッコよく」などの指示をしたことがありませんか?多くの中小企業の社長や個人事業主が憧れる広告というと、やっぱり大企業のような洗練された美しいデザインですよね。出来上がった広告がスタイリッシュだと、自分のブランドイメージにうれしくなるものです。

でも、本当にそれでいいのでしょうか?あなたが広告をつくる目的は商品やサービスを売ることではありませんか?もしそうだったら、ここでちょっとデザインについて少しだけ考えてみてください。

中小企業や個人事業主がつくるべき広告とは?

中小企業や個人事業主の広告の目的は商品やサービスを売ることだとお伝えしました。では、みんなが憧れる大企業の広告の目的は何なのでしょうか?実はこれ、売ることではなく、印象に残すことなんです。その企業のブランドイメージを伝え、「良さそうな会社だな」と印象付けるのが目的です。そんな広告を「イメージ広告」とか「ブランド広告」と言います。

このイメージ広告は、何度も何度も消費者の目に触れさせることで信頼と好印象をつくり、いつかふらりとデパートやスーパーで商品を見かけたときに手に取ってもらうものです。また、それ以外にも投資家に対する企業イメージの向上の役割もきっとあるでしょう。とにかく、ストレートに何かしらの結果を生み出すものではないんです。

これに対して売るための広告は「レスポンス広告」と言います。レスポンス広告では、広告内で商品のプレゼンテーションを行い、そのまま予約や注文、問い合わせへとその場で誘導します。短期かつ少ない資金で広告コストを回収させられるのが最大のメリットです。では、そんなレスポンス広告では何が大事なのでしょうか?

レスポンス広告の鉄則「Copy is King」

広告に書かれている文のことをコピーと言いますが、レスポンス広告の鉄則は「Copy is King」と言われます。つまり、コピーこそが何よりも大事ということです。ここで一つ名言をご紹介しましょう。「広告とは?」という問いにシンプルに答えた一言です。

「Salesmanship in Print」

by David Ogilvy

これはデイヴィッド・オグルヴィという人の名言なのですが、彼は広告を「紙の上のセールスマン」と表現したんです。つまり、「広告=営業マン」だと思ってください。では、そんな広告のコピーって、営業マンに置き換えたら何に当たると思いますか?そう、「トーク」ですよね。営業経験のある方はよく分かると思うのですが、話す順序や言葉遣い、声のトーンってとっても大切です。

そんなトークが広告で言うところのコピーなんです。これに対して、デザインは営業マンで言うところの「身だしなみ」だと思いましょう。営業マンが身だしなみにこだわるのは、相手に信頼してもらい、自分のトークに深みや重みを与えるためです。広告デザインを考えるときには、このデザインの役割というのをちゃんと知っておかなければなりません。でも、こんな話をすると、「別に制作なんてプロに任せるから大丈夫!」と思ったりしませんか?でも、実は、、、

制作会社のほとんどはデザインの役割なんて知らない!

残念なことに制作会社の9割以上はデザインの役割なんて知りません。「Copy is King」の鉄則も知らないどころか、ほとんどは「Design is King」と言わんばかりにデザインを重視しています。だって、制作会社に入るような人たちって、

「カッコいいコピーを書きたい!」
「スタイリッシュなデザインを作りたい!」

という気持ちで制作の世界に飛び込んで来た人たちばかりですから。広告を「営業」ではなく「創作」と考えているんです。つまり、そもそもあなたが作りたい広告と制作会社が作ろうとしている広告は目的からズレていると思いましょう。もちろん、あなたは「この商品を売りたい」と伝えるでしょうが、制作会社には売る技術はありませんから、「カッコよくすれば売れる!」と思いかねません。私も外部の制作会社が作った広告のチェックをしたことがありますが、「売るための広告」と伝えたにも関わらず彼らが作った広告は単なるポエムだったんです。ポエムで売れるわけないですよね…。でも、制作会社はそのようなところが多いのが実情です。だからこそ、あなたの広告をあなた自身がチェックできるように、基本的なデザインのタブーを3つ、ご紹介します。

広告デザインの3大タブーとは?

デザインのタブーは細かいところを挙げ出したらキリがありませんが、大きく分けると3つのパターンが出てきます。1つずつご紹介します。

うさん臭い色づかい

あなたはカラフルな衣装に身を包んだ営業マンと、清潔感のあるスーツに身を包んだ営業マンだったら、どちらを信用しますか?おそらく、ほとんどの方が後者を選ぶのではないでしょうか。カラフルで派手な衣装や、超高級ブランドの衣装をまとった営業マンって、なんとなく信用できないですよね。「本当にちゃんとした人なのかな?」とうさん臭く感じてしまいます。

広告でも同じように、やたらと色の数が多くて派手なデザインの広告からはうさん臭さがにじみ出てくるんです。色使いは広告全体に影響が出るので、できるだけ信用されやすいデザインにしなければ、広告そのものがうさん臭くなってしまいます。そんな信用されるデザインにするためにも、色の数はできるだけ減らして3色くらいにまとめましょう。それも、基調となるベースカラーと、サブカラーを2つくらいで構成できればいいと思います。もしも制作会社が色をたくさん使う原稿を出して来たら、「色数を抑えてください」と伝えましょう。

見るのが気持ち悪い画像

信じられないかもしれませんが、意外に多いのが気持ち悪い画像を使うというものです。やりがちなのはBefore&AfterのBefore画像を出すケースですね。洗剤や殺菌剤が商品だったとしたら、菌が大繁殖した画像とか。洗顔料だったら角栓が詰まって脂ぎった肌の写真とか。こういうBefore写真を大きく出すことでインパクトを出そうとする広告が本当に多く見受けられます。

でも、インパクトを狙ってそんな写真を出してしまうと、「気持ち悪っ!見たくもない!!」と目を背けられてしまいます。広告を見る人がいなくなれば、商品やサービスを買う人は減ってしまいますよね。最悪の場合、あなた自身やあなたのブランドに「気持ち悪い」という印象を持たれかねませんので、本当に気を付けてましょう。どうしてもBeforeを見せないとダメなときには、画像を小さくしたりして気持ち悪さを抑える工夫をしてくださいね。

コピーの邪魔をするデザイン

最後は王様であるはずのコピーをデザインが殺してしまっているパターンです。ここでは、そんなコピーを台無しにしてしまうデザイン例を3つ、ご紹介します。

フォントそのものが読みにくい

デザインにはフォントそのものも含まれます。このフォントの選び方や設定を間違えると、コピーがとっても読みにくくなってしまうんです。まずは次のことを覚えておいてください。

目立つ≠読みやすい

フォントの中でも特によく見えるようにしたいのがキャッチコピーですが、ここはどの制作会社も目立たせるようにしてくれます。しかし、目立たせようとした結果、ものすごく読みにくくなっていることが多々あるんです。たとえば、キャッチコピーを目立たせようとして大きくするのと同時に太くしてしまうと、字が潰れたり滲んで見えて読みにくくなります。あるいは、文字にフチを何重にもつけた結果として読みにくくなるケースもあります。女性ウケを狙ってポップ体という丸くて太いフォントを使うのも同じです。ポップ体は読みやすさが最悪なので、できるだけ使わない方がいいです。大切なのは「目立たせる」と「読みやすい」を両立することだと思ってください。その視点で制作会社に注意すると、すぐに直してくれると思います。

白黒反転デザイン

次は黒い背景の上に白いフォントを置くパターンですね。これはカッコいい広告にしようとしてやってしまいがちな例です。正直、白と黒を反転させるデザインって、かなりハイレベルなデザインだと思います。白い文字が滲んでフォントがとても読みにくくなるだけでなく、うさん臭くなりがちなデザインでもあります。なのに、中小企業や個人事業主の広告でこのようなデザインを作ってしまうのは、大企業のカッコいいブランド広告にたまに白黒反転デザインがあるからだと思います。でも、そもそもブランド広告はイメージを伝えるものなので、フォントを読ませるものではありません。根本的な部分が大きく違うので、同じようにやるのは間違いだと思いましょう。

ちなみに、白黒反転で上手くできているなと思えた事例が1つだけあります。それが電車の車内広告で見かけた法律事務所の広告でした。とっても大きなゴシック体のフォントでこう書かれていました。「●●までで過払い金請求ができなくなります!」この広告がなぜいいのかというと、違法性というちょっとうさん臭い印象を出したい法律関係の広告だからなんです。白黒反転のうさん臭いデザインが、金融会社の違法性を臭わせていて、なおかつターゲットの不安を広げる効果があるので、このような場合は反転させてもいいと思います。でも、ほとんどの人には無縁のデザインなので、反転デザインが制作会社から提出されたら「うさん臭いから反転させたくありません」とはっきり伝えればOKです。

デザインや写真にコピーが被る

雑誌などでよく見かけるテクニックに「流し込み」というものがあります。流し込みというのは、写真に被せてコピーを置くデザインの方法です。でも、色の濃い画像の上にコピーがあれば、読みにくくなるに決まっていますよね。流し込みをするときには、しっかりとコピーの下に白い背景を入れて画像を少しだけ透かすようにするといいです。ただ、透かし具合がちょっと難しいので、簡単なのは写真の中の余白部分にコピーを置くことです。たとえば、画像の上半分が青空だったら、その空の部分にだけコピーを流し込めばいいんです。あくまでも主役はコピーなので「コピーが読みにくくなってないかな?」と意識しながら原稿をチェックしてみてください。

広告におけるデザインの役割とは?

ここまで長々とデザインのタブーをご紹介してきました。その中で一貫して「Copy is King」とお伝えしたものの、私はデザインは広告にとって大変大切な要素だと思っています。だって、素晴らしいコピーを活かすのも殺すのもデザイン次第だからです。それに、デザインにできることってコピーを読みやすくすることだけじゃないんです。

広告においてデザインは「コピーの代わりにコピー以上の情報を伝える」という大切な役割があるんです。だって、文字でつらつらと説明されるよりも、写真やイラストを1枚見せた方が分かりやすいケースってたくさんありますよね?たとえば、ルートを言葉で説明するよりも地図を出せばひと目でわかりますよね。あるいは、ハンバーグの肉汁は言葉で説明するよりも肉汁溢れる写真を1枚見せればいいですよね。まさに、百聞は一見にしかずです。

つまり、優れた広告にはコピーもデザインも欠かすことはできません。ぜひ、それを踏まえて制作会社とのやり取りをしてくださいね!

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